2013年11月28日 12:00
フランスのカン大学(les universitaires de Caen)で行われた、遺伝子組み換えと農薬に関する2年間にわたる実験の結果が発表されたが、それによると、世界ではじめて遺伝子組み換えと農薬による健康への被害が推定された。
その実験は政府や企業が行うものよりもより完全で長期に渡るものであった。(以前の実験データは3ヶ月間の実験によるもの。)
ピンポン玉大の腫瘍のある実験ラットの写真が3枚あります。
左からそれぞれ、餌に「遺伝子組み換えトウモロコシ」、「遺伝子組み換えトウモロコシ+ラウンドアップ使用」、「遺伝子組み換えでないトウモロコシ+ラウンドアップ使用」
TPPに関連して主要な大手の全国紙が真実を伝えようとせず、虚偽を連発する中で、「日刊ゲンダイ」は頑張っている。昨日の「なぜTPPを推進するのか 経団連米倉会長 ボロ儲けのカラクリ」はすばらしい。下記サイトにある記事を一部引用します。
****引用開始*******
http://gendai.net/articles/view/syakai/133825
TPPに参加すると、アメリカから「遺伝子組み換え食品」が大量に入ってくる恐れが強い。日本は遺伝子組み換え食品に“表示”を義務づけ、一定のブレーキがかかっているが、アメリカは表示義務の“撤廃”を求めているからだ。その時、国内最大の農薬メーカー、住友化学が大儲けするというのだ。一体どんなカラクリなのか。
「住友化学は昨年10月、アメリカのモンサント社というバイオ会社と提携しています。モンサント社は、強力な除草剤『ラウンドアップ』と、ラウンドアップに負けない遺伝子組み換えの種子をセットで売っている。遺伝子組み換え種子ビジネスの大手です。ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤を作っていました。要するに、遺伝子組み換え食品が広まると、モンサント社が儲かり、ビジネスパートナーの住友化学もウハウハというわけです」(霞が関事情通)
しかし、自分の会社の利益のためにTPPを推進しているとしたら許されない。遺伝子組み換え食品にどんな危険があるか分かっていないからなおさらだ。
****引用終わり*******
TPP参加の一断面がここにある。もちろん遺伝子組み換えの問題は、TPPによって発生する巨大な問題群の氷山の一角にすぎないが、遺伝子組み換え作物が自由化され、日本の農地もモンサントが特許を持つ遺伝子組み換え作物で席巻されることになるだろう。その帰結は日本の生態系と食の安全を崩壊の危機に追い込むだろう。
米倉氏は、経団連会長という公的立場を利用して、モンサントのビジネスパートナーとしての自社利益のために、「TPP=国益」と偽って旗を振っている疑いが強いのである。大手紙は、大王製紙やオリンパスを取材する力の少しでも振り分けて、こちらも取材すべきであろう。
「いくら何でも、水戸黄門に出てくる悪代官と越後屋みたいな、そんな古典的に分かりやすいことはないでしょう。現代政治は」
原発事故の前は、そう考える人が多かった。しかし、この国は悪代官と越後屋の構造に支配されている、じつに分かりやすい国であることが明らかになってしまった。遺憾なことに、この国に悪代官と越後屋はそろっていても、水戸黄門はいない。
モンサントが北米大陸でやってきたことは恐るべきことである。
遺伝子組み換え作物は、花粉が風で運ばれて非遺伝子組み換え作物と自然に交雑してしまう。ふつうの作物が、風の力で遺伝子組み換え作物に変わってしまうという遺伝子汚染が発生するのだ。
モンサントは、遺伝子汚染で知らないうちに自分の農地内に遺伝子組み換え作物が紛れ込んでしまっていた農家を、「特許権侵害」で訴えて、農家から多額の賠償金を支払わせるという脅迫まがいのことを繰り返してきた。日本でも同じことが起きると考えるべきだろう。
日本の生態系はモンサント特許の遺伝子で汚染され、身に覚えもないのに誰もが特許権侵害で訴えられる可能性も発生する。輸入食材のみならず、日本の農地もモンサント種子に支配され、私たちの食費の一部は「特許料」としてモンサントの懐に消えていく。米倉氏はその片棒を担いでいるわけである。
アメリカで「モンサント保護法」と呼ばれていた「包括予算割当法案」において、遺伝子組み換えを利用する企業を保護する条項を削除する法案が9月24日上院で可決された。今月末までに「モンサント保護法」は撤廃される見通し。
この「包括予算割当法」(HR993)は今年の3月26日、オバマ大統領の署名により成立。第735条に、モンサント社などが販売する遺伝子組み換え作物で消費者に健康被害が出ても、因果関係が証明されない限り種子の販売や植栽を法的に停止させることができない、と定めたこととから、「モンサント保護法」と呼ばれるようになった。この法案撤回を求めるオバマ大統領への請願書に、25万人以上の署名が寄せられた。成立後も抗議行動は世界規模で高まり、日本でも、環太平洋経済連携協定(TPP)が締結がされるとこの法案が日本に持ち込まれてしまう可能性があるのではないかと注目されていた。
今回の上院の決定に、農家や市民による持続可能な食物システムを構築するための草の根の運動を続ける団体Food Democracy Now!のリーダーDave Murphy氏は「これは食べ物の安全をめぐる運動にとって、そして政府の開放性と透明性に留意するすべての人々にとって大きな勝利だ。私たちの声が効果的に組織されれば、変えることができるという証しなのだ」と声明を発表している。